【第8日】おふくろの味

 

こんにちは(と書いていましたが途中で保存しておいたら夜になってしまいました。こんばんは)。第8回。自分にとって「続いているな」と思っていてもまだ一桁。そのことに、継続は難しいなぁと改めて感じます。

誰しもそうだとは思うんですが、勉強だったり、習い事だったり、そういうことで節目を迎える度「継続は力なり」と聞いてきたので、体の芯に刷り込まれている感じがあります。いつかなにかの力になるように続けていきたいですね。

 

 

さて。今日も行ってきましたよ、歯医者。でも今日は歯医者の話はいいんです。笑

 

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題にあるように料理の話です。

早速余談ですが、最近「日記のネタのために料理を作ろう」と思って心に余裕があるとちまちま作っています。

はい。恥ずかしながら正直に言うと、普段からそんなに料理しないんですよ。やるとしても手間の少ないものばかり。あの「卵だけ入れればできる」とか「うちのおかず」シリーズとかクックドゥシリーズってすごいですよね。味つけが絶妙でとんでもなくおいしい。あ、あと茹でたパスタに和えるもの。そういう企業様の開発努力のたまものに感服感謝して頼りきっているわけです。ありがたやありがたや。

ただそんな日々を抜け出し、こうして日記のため、という見栄っ張り抜群の大義名分のもと少しずつ料理の頻度を増やして写真にとっているわけです。ツイッターで拝見している「つくりおき食堂まりえさん」を参考にツナ缶を買ってオムライスを作ってみたりもしました。ツナ缶ってすごい。味が深まる気がする。

とにもかくにも、料理に慣れる(あわよくば上達する)ことができる、おばあちゃんを喜ばせられる、日記のネタにもなると一石二鳥どころか三鳥でなんだか楽しいです。こんなに長い余談ってある?と思いつつ本題入ります。すみません。

 

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ちなみにそんなオムライスがこちらです。本題は、最初に載せた大根の煮合いです。

 

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大根とゼンマイとたらこ。おばあちゃんが昔からよく作ってくれた、誇張ではなくこの世界でいちばんだいすきなお料理です。大根にお出汁がよく染みて、みりんとごま油の風味が香って。大根は噛めばほろりとほどけるほど柔らかいのに、ゼンマイの少しの歯ごたえとうまい具合に合うんですよ。たらこの塩気もほどよく絡んでくれます。前は当たり前ですが実家に住んでいることもあって、来るたび大鍋いっぱいに作ってくれました。その味が大好きで大好きで、毎日深皿によそって平らげました。おかわりもしました。それでもなかなかなくならない。大鍋のなか全部なくなるまでの数日間が本当にしあわせで。

一緒に住み始めてからも、よく作ってくれました。その頃に作り方を一度だけ、教わりました。

 

 

一番上の写真は数日前になんとか思い出して作ってみたものです。ちょっと味が濃くなってしまったけれど。

こうして書いてみて思うけれど、わたしはこれからもう、おばあちゃんの煮合いは食べられないんだなぁ。というより、もうおばあちゃんは数分お勝手に立つこともしんどいというところがあるのでね。おばあちゃんのお料理が食べられることなんて、もう本当にあと一度あるかさえもわからないもんなぁ。難しいだろうなぁ。

 

 

おばあちゃんのお料理自体だいすきなんですよね。ここだけの話、普通「おふくろの味」って文字通り母親の味じゃないですか。わたしも昔から母の料理を食べ、それが全ての「手料理」の基準になるというか、比較対象になりますよね。でもわたしは母の料理を(他の人に比べておそらく)そんな食べてこなかったのもあって、おばあちゃんの煮物を食べては「こんなに優しい味の煮物があるのか……!!これぞ手料理……!!」と思ったし、味噌汁を飲んでは「こんなにおいしいお味噌汁が飲めるのか……!!こんなおいしいお味噌汁は初めてだ……!!」ってなるくらい感動したんですよね。まぁお料理も好みですから、わたしは母のわかめたっぷりお味噌汁よりおばあちゃんの大根ともずくたっぷりお味噌汁のほうが口にあったということかもしれませんが。

だからわたしにとって「おふくろの味」はおばあちゃんの味つけなんですよ。

 

 

木曜日の夜に作って、翌日「濃くできちゃったから薄めて食べてください」と書き置きを残して仕事へ。以下はその夜のお手紙です。

 

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「愛ちゃん

パン買ったので食べよう

大根の煮合いとてもおいしかった とても

上手にできたね」

 

 

ちなみに本日土曜日、出先から帰って一緒に夜ご飯を食べたので改めて「どうだった?」って聞いたんですよ。おばあちゃんは目を細めて話してくれました。金曜は父のお姉さんが来る日で、二人で食べたそうです。お姉さんは冷蔵庫に残ったたらこを見て「これを作るためにたらこを買ったんだね。おんなじ味だ」と言ってくれて、おばあちゃんも「おんなじだねえ、おいしかった」と改めてほめてくれました。「大根の千切り、おばあちゃんが見る限り大きさはバラバラじゃなかったよ。揃ってたよ」って。にやりと評論家のように笑いながら。かわいいなあ。

 

またしても余談ですが、夜ご飯を食べながら話をしていると、おばあちゃんは池袋の事故を挙げ、「愛はお父さんお母さんから預かっているようなものだから、こうして無事に帰ってくる姿を見ると安心するよ」と言ってくれました。胸がいっぱいになります。おばあちゃんありがとう。感謝が尽きません。

 

 

「おんなじ味」でも、わたしは「おばあちゃんの煮合い」が好きです。それを超えるものはわたしには作れないけれど、また作って、食べて、その度におばあちゃんの味を思い出して、「やっぱりおばあちゃんのがいちばんだな」って思いたいと思います。何度でも。

 

 

 

なんだかすごく長くなってしまいました。軽い読み物レベルですよね。ここまで読んでくれてありがとうございます。

 

 

 

あまり読まれることを想定して書いていないというか、本当におばあちゃんの記録としての用途で書き始めた日記ですが、中学時代の同級生にリプライをもらって「ああ、読まれているんだ」と実感がわいて。自分が書いたものを誰かに受け取ってもらえるというのはこそばゆさもありますが、どこかほっとするんですよね。なにかにゆるされている感じというか。だから本当に、読んでくださって、ありがとうございます。

 

それでは。おやすみなさい。